殺したい と 思った 人 4️⃣
年が明け
春に なった
裕次 22歳
私 21歳
相変わらず 裕次の 夜遊びは 続く
何が そんなに 面白いのか
何に 惹きつけられるのか
知りたくて
私は 電車で 30分程 かかる 町で バイトをする
ミニの ワンピースが 制服の
小さな お店だった
私が 水商売で バイトしている事を 知った 父が
【水商売を するのなら その道で 誇れる様 進みなさい】
と 居抜きの 喫茶店の様な お店 を 買ってくれた
その店に グランドキャバレー で 勤めている お姉さんが 通ってくれた
お姉さんは 週に 2日程
たいして 美味しくもない お昼御飯を 食べに来てくれた
お姉さんから 声掛けられ
軽い気持ちで
さほど 考えもせずに
グランドキャバレーで 働いた
何が そんなに 面白いのか
何に 惹きつけられるのか
そんな事が 知りたくて 始めた 水商売
色々な お客様と 知り合った
殆どの 方 が 裕次 より 年上だった
お金も 持っていて
余裕が あって
大事にしてくれる
そう
この年は 2人共
ヘラヘラ と 遊んでいた
そして この年に
兄が 見合いを して 結婚する事に なる
兄の 結婚式の 当日
裕次は 結婚式会場までの
送り迎え を 嬉々として やってくれた
家族の 一員 の様に 動いてくれる
その頃
裕次の 両親が 彼に 家を 建ててくれた
私の 両親も
彼の 両親 も
私達が 結婚するものだと 思い込んでいた
だが 私は
ミイラ取りがミイラになり
いろんな方と
面白可笑しく 付き合っていた
東京での 生活と 同じ様に
何故 山形に 戻って来たのかも
綺麗さっぱり 忘れ
見事に 忘れ
フラフラ と 蝶々の如く 飛んでいた
まだ
結婚 したくない
そう 思っていた
確かに
そう 思っていた
この年 は こんな風に 過ぎて行った
年が 明け
春
裕次 23歳
私 22歳
ある日
裕次 が 疲れた顔で
ボッソ と 言った
低い 声で
ボッソ と 言う
「別れよう」
馬鹿な 私は 何故 と 思う
貴方が 1番なのに
いつだって
1番なのに
何故
何故
もうすぐ
桜が 咲きそうな 春の 夜の 事
ただ
私は 唖然と
彼の 暗い 顔を 見ていた
ポカンと
馬鹿みたいに
み て い た 。。。。
つづく
🦋 🦋 🦋