捨て去った あの日
まさに
40代だった
私は
元旦那と
秋田で 小さな会社を やっていた
懸命に 休みも取らず
会社を 大きくする事が
面白く 夢中だった
13年後
会社の 敷地は 1000坪から
2000坪に なった
広くなった分 在庫も 増えた
ある時から
元旦那は 事務所に 出て来なくなった
二階が 自宅だった
お客様が 来たら 二階に 電話をする
そうすれば 降りて来る
そんな 日々が 続いた
3年間
続いた
毎月 の 支払いに 追われる
私は 必死だった
まるで
集中治療室に 入ってる 子供に
まだ 大丈夫だから
きっと 治るから
と
言ってるようだった
助けたくて
この 我が子のような
この 会社を
助けたくて
必死で 動いた
秋の ある日
その頃 飼っていた 犬の タケを連れ
川辺を 散歩した
夕暮れ時だった
突然
思った
何故
こんなに 辛いのに
何故
頑張っているのだろうと
タケと 川辺を 歩きながら
初めて 考えた
それは
結局
世間体
それは
私の
見栄
それは
己の
虚栄心
裸で生まれて来たのだもの
裸に戻れば いいじゃないか
素直に
そう
思えた
その場で
ミチヨに 電話をした
「ミッちゃん 私 会社 つぶすよ」
そう 言った
ミチヨは 一言
「ご苦労様」
あの日の 秋の 夕暮れ
私は
自分の 世間体
見栄
虚栄心
そんな 諸々の物を
夕日に 染まる 川に 捨てた
3年かかって
やっと
気づいた
心の奥の奥
そう
まさに
40代の頃
人生の
折り返しの 頃
🍀 🍀 🍀