大きな課題 2️⃣
無事 手術終え
秋田に 學さんが カエちゃんを 連れて来た
玉川温泉は 奇跡の湯 として 全国でも 有名なのだ
身体の 悪い所が 赤黒く 浮き上がって来る
5日も 過ぎた頃だったろうか
カエちゃんが 違う温泉に 移りたいと 言う
で
田沢湖の温泉に 移動した
玉川温泉は きつかったようだ
この 移動した 温泉旅館 に 年 5〜6回 来るように なった
10日は 滞在する
學さんは 仕事が あれば 戻るので
カエちゃんが 1人の時が 多かった
私は 泊まりがけで 訪ねて行った
家からは 車で 40分程
日帰りもできたが
お風呂好きな 私は
これ幸いと いつも 泊まった
旅館 の近くには 小さな滝 が あり
朝の 散歩で
カエちゃんは 大きく 深呼吸していた
緑の中を 手を 振り上げ 下ろし 歩いた
私も 真似して 振り上げ 下ろし て 一緒に 歩いた
ある時
「私は 手術なんか したくなかったのよ でも ベルトコンベアーに 乗せられたみたいに
あれよ あれよ と言う間に 手術に なって だから 學には 言ってあるの
次は 絶対 手術は しないからってね」
「うん」
「肺癌は 転移するのが 脳の確率が 大なんだって 脳は 嫌だなぁ 最後まで 自分で いたいなぁ」
「うん」
そんな事を 森の中 歩きながら 淡々と 言っていた
夜 隣のベットに 横になり
私は カエちゃんに 訊いた
「信仰は カエちゃんにとって 手助けに なってる?」
「とってもなってるよ 今もだけど ずーっと なってるよ」
「そうかぁ なら 良かった」
カエちゃんは クリスチャン
お祈りしているところは 見たことは 無いのだけれど
被爆者という 大きな 大きな 荷物を 背負い 生きて来た
常に 覚悟の様なものが あったのだと 思う
結婚も するつもりは 無かったそうだ
「學さんが 積極的でさ」
と 楽しそうに 笑う
お風呂に 一緒に 入った時だ
カエちゃんから 言われた
「プーはね いいもの 一杯 持ってるのよ
だから 弱い人 の 気持ち 分かるようになれば
とても 良いと 思うよ」
お風呂から 山を 見て カエちゃんが 言う
「うーーん 難しいねぇ」
と 私は 答えた
「難しいだろうけど 努力は してね 分かった」
私の顔を 見て 静かに 笑う
「分かった」
私は 仕方がないので 返事を する
そんな 私を 見ながら カエちゃんは
困ったものだ と 笑う
この期間が 秋田に 来ていた 期間が 何年続いたのだろう
3〜4年だろうか
ハッキリ 思い出せない
肺癌になって もうすぐ 5年に なろうとしてた頃
カエちゃんは 脳に 癌が できた
秋田にも 来れなくなった
私は 私で
旦那と 別居していた
ある日 共通の 知り合いが
教えてくれた
カエちゃんが 亡くなった と
初盆に
山形の尾花沢の スイカを 送った
大きな スイカを 送った
學さんから 手紙が 届いた
プーちゃん
ありがとう
きっと 喜んで 食べていると 思います
最後は 水も 飲めず 辛かったようですから
きっと 誰にも わけないで 独り占めしていると 思います
手紙を 読んで
私は 初めて 泣いた
2007年の 事である
【弱い人の 気持ち わかりなさい】
大きな
私にとって
大きな 課題である
今日も バンコクは 暑い
🍀 🍀 🍀